お腹の張り・膨満感でお悩みの方へ
腹部膨満感とは、腹部の一部あるいは全体が張ったような感覚で、人によっては苦しい、痛いと感じます。原因は2つに大別され、消化管にガスが溜まることによるものと胃の運動胃機能異常によるものです。前者はお腹が張る、お腹が重いといった症状が起こり、後者は胃の不快感や胃が重苦しいといった症状が起こります。
その他、腹腔内の炎症や腫瘍、妊娠などがきっかけとなり、腹部に張りを感じることがあるため、症状が慢性化している場合は、早めに当院をご受診ください。
お腹の張り・腹部膨満感の原因
ガスが原因の腹部膨満感
食べ物を食べると消化管内でガスが作られ、一定量溜まるとげっぷやおならとして体外に排出されます。しかし、ストレスを受けて悪玉菌が過剰になったり、自律神経が失調したりすると、消化管内でガスが作られる量が排出される量を上回り、過剰に溜まっていきます。この際に腹部膨満感が生じますが、別名「鼓腸」と呼びます。
疾患が原因の腹部膨満感
吞気症や過敏性腸症候群など多くの疾患の症状として、腹部膨満感が起こります。なかでも、消化器系のがんには注意が必要です。胃がんや大腸がんができると、胃腸機能の低下や便やガスの通過障害が起こります。このため、消化器系のがんを発症した場合、腹部膨満感が起こることが多いです。がんは初期症状が乏しいことが多いため、腹部膨満感は早期に検査を受けるきっかけとなります。腹部膨満感が続いている方は内視鏡検査を受けましょう。
膨満感の原因疾患
腹部膨満感が慢性化している場合、深刻な疾患を発症している可能性があります。膨満感の原因疾患には下記のような疾患が挙げられます。放置していると重症化するため、不快症状があればすぐに当院までご相談ください。
便秘
便秘は、3日以上排便できていない状態、あるいは排便はできていたとしても十分量を出せずに残便感がある状態を指します。便秘が慢性化すると、領内にガスが溜まって膨満感に繋がります。食事に気を付ける必要があり、根菜類やいも類、豆類など食物繊維が豊富な食材はガスが作られやすいので、食べるのを控え、バランスの整った食生活を意識しましょう。
腸閉塞
腸閉塞とは、何らかの原因によって腸管が塞がれた状態を指します。胃液や食べ物、ガスなどが腸内に溜まり、腹痛や膨満感、嘔吐などの症状が起こります。
腸閉塞は機械的閉塞と機能的閉塞に大別されます。症状が軽度の場合、絶食と点滴を用いた栄養補給など保存療法で対応しますが、効果が現れない場合は閉塞部分を切除する外科手術が検討されます。
過敏性腸症候群
ストレスにより自律神経が失調し、大腸の蠕動運動が亢進することで、膨満感や下痢が発生します。命を落とすことはないものの、症状が長引くため生活の質が大幅に低下します。成人では約20%の方がこの疾患を発症していると考えられており、比較的女性に好発します。
吞気症
吞気症とは、意図せずに多量の空気を飲み込んでしまう病気で、体内に大量の空気が溜まり、副膨満感、おならやげっぷが頻発するなどの症状が起こります。日本では、20~50代の女性に好発します。
吞気症で最も多い原因はストレスで、ストレスを受けることが多い現代では、発症数が増加傾向にあります。吞気症の予防にはストレスの発散が重要です。適度な運動や趣味の時間を確保するなど、こまめにストレスを解消しましょう。
逆流性食道炎
胃の食道の境界にある下部食道括約筋は、胃酸などの意の内容物が食道方向に流れ込まないように、食事以外では胃の噴門を閉じています。逆流性食道炎とは、何らかの原因でこの筋肉が低下する、あるいは胃酸の分泌量が過剰になることで、胃の内容物が食道に流れこみ、炎症が発生する疾患です。
成人の10~20%が発症していると考えられており、特に中高年が好発します。主な症状には、胃もたれや腹部膨満感、のどの違和感、胸焼け、咳などが挙げられます。原因には、過剰なストレスや暴飲暴食、たばこやチョコレートなどの嗜好品の摂取などがあります。
急性胃腸炎
急性胃腸炎は、様々な原因がありますが、細菌やウイルスなどの病原菌の感染が原因となることが多いです。季節によって流行する病原菌に違いがあり、夏季はカンピロバクターやサルモネラなど細菌によるものが多く、冬季はロタウイルスやノロウイルスなどウイルスによるものが多いです。主な症状は、腹痛や発熱、嘔吐などですが、腹部膨満感が起きることもあります。
機能性ディスペプシア
ディスペプシアとは、胃痛や胃もたれ、膨満感など消化不良によって起こる様々な症状を表す医療用語です。機能性ディスペプシアとは、器質的病変が発見されないにもかかわらず、胃痛や胃もたれ、膨満感などの症状が続く疾患です。原因ははっきりとしていませんが、生活習慣の乱れやストレス、遺伝など複数の要因が複合することで起こると言われています。
腹部の腫瘍
腹部膨満感は、腹部に発生する腫瘍によっても起こります。例えば、胃がんや大腸がん、女性の場合は卵巣腫瘍などがあります。なかでも、胃がんは部位別のがんによる死亡数では、男性では2位、女性では4位に位置しています。また、初期は自覚症状が乏しい特徴があります。腹部膨満感が慢性化している場合は、早めに当院までご相談ください。
お腹の張り・腹部膨満感を
改善する方法
食生活の改善
腸内環境が乱れることで、膨満感が起きることもあります。腸内環境を改善することで、溜まっていた便やガスを排出でき、膨満感の解消が期待できます。腸内環境の改善には、善玉菌が豊富な食品を摂取しましょう。例えば、納豆やキムチ、漬物、ヨーグルトなどが挙げられます。また、体内の水分量を調整するカリウムを多く含むアボカドやバナナもお勧めです。
ストレスの解消
ストレスを日々感じていると、胃腸機能を制御する自律神経が失調し、消化機能や運動機能が低下することで、腹部膨満感が起こる可能性があります。
最低でも週に1回は運動や趣味の時間を確保することをお勧めします。
膨満感が続く場合は
当院までご相談ください
当院では、熟練の医師が患者さんの症状やお悩みを丁寧にお伺いし、適切な治療方針を後手以南させて頂きます。また、お仕事など平日はご多忙な方でも受診して頂けるように、WEB予約システムを採用しており、24時間・365日パソコンやスマホから予約頂けるようになっています。お悩みの症状がある方は、一度当院までご相談ください。