「便潜血陽性」と言われたら読むページ

Fecal occult blood 「便潜血陽性」と言われたら読むページ

はじめに

この検査でひっかかったら、放置してはいけません。

便潜血検査は、スクリーニングとして広く普及しており、便をスティックで採取して提出するだけの非侵襲的な検査です。健康診断の際、大腸がん検診として実施されています。

通常、食物が便として排泄される課程で便に血が混じることはありませんので、この検査でひっかかった方、陽性と判定された方は、ズバリ「大腸がんの可能性がある」ということです。

この検査で陽性判定された方は、消化器内科への受診が必要ということになります。

ちなみに2日法で、2回中「一回だけ陽性」の方も、消化器内科への受診が必要です。

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潜血の意味とは

潜血の意味とは

排便時に出血量が多ければ、便器の中を見るだけで「出血しているな」と容易に判断ができるでしょう。しかし、出血が微量だと肉眼ではわかりません。そこで採取した便に試薬を混ぜ、その変化で血液の混入判定を行う検査が便潜血検査であり、主に大腸で出血しているのかどうかを判定します。

しかし、その検査の意義を理解されている方は決して多くなく、便潜血検査が陽性であったのにも関わらず、適切な精密検査を行わずにそのまま放置してしまう人がいます。自覚症状がないため、「硬い便だったから肛門が切れてしまった」「昔から痔があるからソレが原因だろう」などと自分に都合の良い解釈をしてしまい、精密検査の機会を逃してしまう方が多く見受けられます。

この検査で陽性判定されたとき、一番やってはいけないことは、消化器内科を受診せずに放っておくことです。

便潜血検査はどれくらいの精度なの?

便潜血検査はどれくらいの精度なの?

では、便潜血陽性と診断された場合、どれくらいの確率で「本当の病気」なのでしょうか?

実はこの検査はあくまでスクリーニング検査なので、検査の精度はそれほど高くありません。
便潜血陽性の方から大腸ポリープが見つかる確率が、50%前後と言われています。大腸がんが見つかる確率は2~3%程度です。

なぜ大腸カメラが必要なのか

消化器内科を受診した際、医師に大腸カメラ(=大腸内視鏡)を勧められると思います。この時、「もう一回、便潜血検査を受けさせてください」とお願いする患者さんもおられますが、あまり意味がありません。医師は「潜血反応が1回陽性になったこと」を重視するからです。

また、カプセル内視鏡・大腸CT検査・大腸バリウム検査など、他の大腸検査もそれぞれ有用な方法ではありますが、精度の点で大腸カメラに軍配があがります。特に5mm以下の大腸がん/ポリープを見つけることにおいては大腸カメラより優れた検査はありません。

大腸カメラの長所と短所について

長所:
  1. 5mm以下の小さなポリープを見つけやすい
  2. 病変の切除や組織の採取が可能
  3. 粘膜面の色調や細かい模様を観察できる
短所:
  1. 検査に必要な時間が長い
  2. 前処置がとても面倒
  3. 内視鏡挿入時に苦痛を伴うことがある
  4. 腸のヒダの裏側や屈曲部はカメラの死角となり、病変が見つけにくい事がある
  5. 内視鏡で腸壁を傷つける可能性がある

大腸内視鏡検査の欠点は、上記短所の1)、2)につきます。
検査に必要な時間はほぼ丸一日です。起床後、前処置で腸管洗浄液と呼ばれる液体を2000ml程度、2~4時間かけて内服します。少し不味いスポーツ飲料水のような味がします。この液体を飲むのが一番つらい、という患者さんも多いです。また、洗浄液を内服しながら自宅トイレに7~10回行くことになります。当院の場合、この半日間の前処置を終えてから来院して頂くことになります。

短所3)4)5)は、検査医師の能力や鎮静剤の使い方で、ある程度は克服可能です。当院の場合2種類の鎮静剤を静脈注射するので、「寝ている状態」「ウトウトした状態」で検査を受けることが可能です。検査を受けることを決意したら、なるべく信頼できる施設を探してください。→当院の詳細はコチラ

昨今では、「内視鏡専門ではない医師」「消化管が専門ではない医師」「肝臓など他の臓器が専門の医師」が、軽い気持ちでこの検査を施行するケースが目立ちます。当然、「腸に穴が開いてしまった」「出血が止まらずに入院になった」などトラブルも多く発生しています。

大腸カメラは

  • 上手な医師に
  • 症例数の多い施設で
  • 自分に合ったやり方(鎮静剤あり)で

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おわりに

大腸ポリープは稀ではない疾患です。便潜血陽性となってしまった方は、自分勝手な解釈はせず、消化器内科を受診しましょう。
特に、①50歳以上、②大腸がん・大腸ポリープの家族歴、③高カロリー摂取及び肥満、④過量のアルコール摂取、⑤喫煙、は大腸がんの危険因子ですので、心当たりがある方は必ず大腸カメラを受けましょう。

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当院は東京都江東区にある消化器内科です。近隣の墨田区、江戸川区にお住まいの方はもちろん、県外の患者さんも多数来院されます。便潜血陽性と診断された方は、是非、当院の医師へ相談してください。

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